台湾で日本語教師として働いた経験談をお話します
私は学生時代に中国語を勉強しましたが、卒業後もまだまだ勉強していきたいという思いがありました。台湾に限らず、外国で暮らすには多かれ少なかれ現地の言葉を使っていくことになりますね。言葉は使っていくほど覚えていきます。
中国語をもっと勉強したいと思った私が、実際に台湾で日本語教師として働いた経験談をお話します。
なぜ台湾を選んだのか
台湾では中国語が話されています。中国語圏は他にもたくさんありますが、台湾の人は外国人に対し友好的な人が多く、とりわけ親日的な人が多いことでも知られています。
中国語を学んだ人でも、まだ学んでいない人でも、中国語に興味があるならば日本人として台湾で働くことは魅力的ですよね。私もそういった部分に魅かれ、台湾を選びました。
余談ですが、料理や果物など美味しいものが多いという点も魅力ポイントでした。
台湾で日本語教師になるには
まず最低条件として大学卒業の資格が必要です。これは雇用主である学校や企業がかかげる条件ではなく、台湾政府が日本語教師としてのビザを発給するための条件としているので、雇用主が融通を利かせられる云々の話ではないようです。
ただし、すでに台湾に居住できる人はこの限りではありません。(台湾人と結婚している人等)
※ビザの取得に関しては、後でもお話ししたいと思います。
次に日本語教師としての資格についてですが、一般的に挙げられるのは以下の3点です。
- 日本語教師養成講座420時間修了
- 日本語教育能力検定試験合格
- 4年制大学の日本語教育課程主専攻または副専攻修了
ただし、これは必要条件というわけではありません。私自身、大卒ではありましたが上記3つのいずれの資格も持っていませんでした。
上にあげた資格は、「日本国内の日本語学校」が日本語教師を採用するための条件としてかかげているものですが、台湾の採用側も日本語教師としての水準の参考にするので、資格を持っていることは有利となります。
最近では、上記の資格を採用条件としている学校も非常に増えてきています。(むしろそちらのほうが多いくらいです)
これは、台湾以外の国でも同様のことが言えるので、スクールなどに通って可能な限り上記資格を1つ以上取得しておいたほうが良いかもしれません。
参考ヒューマンアカデミーの通信講座【たのまな】日本語教育能力検定 完全合格講座
中国語について
台湾での日本語教師の求人ですが、採用条件に「中国語ができること」を挙げているところは意外にも多くありません。
ある外国語学習者の母語を使わずに、その外国語のみを使って教えることを直説法といいますが(要はここでは、台湾で日本語のみを使って日本語を教えていくということですね)、これに対して、学習者の母語(台湾なら中国語)を使って教えることを間接法といいます。
直説法と間接法のどちらが良いかは、それぞれにメリット・デメリットがあり意見も分かれるところではありますが、ここで私が言いたいのは、
- 中国語(日本語以外の外国語)が分からなくても日本語のみで日本語を教えることはできる
- しかし中国語(学習者の母語)が分かるならば、より効果的・効率的に日本語を教えることができる
ということです。
直説法にしろ間接法にしろ、教える側として中国語をある程度でも知っていることは大きなメリットになります。学習者の誤用の傾向や原因が分かり、修正しやすくなります。
中国語が分かることは必須条件ではありませんが、台湾に興味のある方は中国語にも興味があるのではないでしょうか。日本語を教えるスキルと並行して中国語能力を磨いてみるのも良いでしょう。
台湾で働くためのビザの取得方法
外国人として台湾で働くにはビザを取得する必要がありますが、雇用主がサポートしてくれる場合は任せましょう。私の場合もノービザで入国後、滞在中に雇用主が居留証を取得してくれました。
もしサポートがない場合や自分で取得する必要がある場合は、台北駐日経済文化代表処(台湾の大使館に当たる機関)のサイトを参考にしてみてください。
台湾で日本語教師として働く
勤務時間
規定にもよりますが、日本と大差ありません。私はフルタイムで9:00〜18:30の8時間勤務でした。また、私の場合お昼休みが1時間半ありました。
給料
私は月3万元(当時12万円程度)で、現地台湾人の大卒初任給程度です。これは台湾の日本語教師の中では良いほうだったと思います。(台湾の日本語教師の月給は10万円程度と言われています)
日本人からすると大分物足りないかもしれませんが、現地での生活に困ることはありませんでした。
台湾での生活費は?
家賃
日本に比べ物価が安い台湾ですが、台湾での生活費では家賃が多くを占めると言われます。
私は寮でしたので家賃の負担がありませんでした。(この点ではだいぶ好条件でした)
こういう理由で台湾の家賃に関して私はまったく詳しくないのですが、人気のありそうな台北市でざっと調べてみたところ、首都の台北ではマンション(高い)とアパート(安い)で差があるらしく、一般的な日本人はマンションを選ぶとのこと。
台北市内のマンションは、安くても月1万元(4万円)ぐらいはするそうです。
日本の地方都市の家賃と差がありませんね。
「一般的な日本人」とは、駐在員などの高給取りを言うのでしょうか(笑)。逆に高いところでは10万円以上の物件等、東京の都心部並のものもあります。
日本語教師としては、アパートを選ぶのもありなのかもしれません。アパートであれば月2万円ぐらいからでもあるそうです。
また、台北市から離れるほど家賃は安くなっていく傾向があるそうですし、台北以外の主要都市(高雄・台南・台中など)でも、台北に比べれば家賃はぐっと安くなります。こだわりがなければ台北以外のほうが良いかもしれません。
食費
家賃の次に大きいのは食費ですね。食費についても、当時の私は小食で、1食50元〜100元の単品料理(チャーハンやラーメン等)でおなかいっぱいになり、さらには私の職場では給食があったこともあり、一般の人よりはかなり抑えることができていました。私個人の経験はあまり参考にはならないと思います(汗)。
自炊はほぼしませんでしたが、台湾は外食文化ということもあり、自炊のほうがかえってお金がかかるとも言われていました。
はい。以上です!と言ってしまうと身もふたもないので…参考までに、日本人にもなじみのありそうな台湾のコンビニの一般的な商品の価格を挙げてみます。(2018年10月24日現在:1元=3.63円ですが、私は計算が面倒だったので、当時は元→円は4倍で考えていました)
- 水500ml:20元(約80円)〜(台湾では水道水が飲めないので結構買う機会多いです)
- コカコーラ等ペットボトルのジュース500ml:29元(約116円)〜
- 紙パックの飲み物500ml:20元(約80円)〜
- コンビニおにぎり:20元(約80円)〜
- ポテトチップス:25元(約100円)〜 ※日本の輸入物はこの倍近くすることも
- 台湾ビール330ml:35元(約140円)〜
- 台湾ビール500ml:42元(約168円)〜
台湾の日本語教師求人探しにおすすめのサイト
私が求人探しで実際に見ていたおすすめサイトをご紹介します。
日本語教師の集い
日本語教師の掲示板サイト。求人件数も多いですが、絞り込み検索できないのが難点です。
公式サイトhttps://www.e-tsudoi.com/
日本村
日本語教師、日本語教育関係の仕事を探す人のための情報サイト。台湾求人を絞り込んで探せます。
JEGS International(ジェグス・インターナショナル)
日本語教師の情報サイト。大陸や香港等の中国圏を含みますが、台湾からの求人も多いです。求人情報だけでなく、ボランティアや日本語教師養成講座の情報もあります。
IJEC 国際日本語研修協会
国際交流と日本語教育の普及を目指す機関のサイトです。求人の件数や更新は多くありませんが、他ではあまり見かけない学校名もあります。
インターカルト日本語学校・日本語教員養成研究所
1977年に設立された歴史ある日本語学校のサイトです。古い求人が多く、更新頻度も少ないですが、掘り出し物の求人が見つかることもあります。
リクナビNEXT
王道の転職サイトです。日本語教師の求人に特化している訳ではありませんが、台湾の求人も掲載されているので、マメにチェックする価値はあると思います。
公式サイトhttps://next.rikunabi.com/
日本語を教えることは本当に難しい
前にも触れましたが、私は日本語教師としての勉強や資格なしで、台湾で日本語教師となりました。いわゆる一般的なネイティブスピーカーなので、文法などを聞かれてもなんとなくしか分からず、もどかしいこともたくさんありました。
教えるときに常に感じていたのは、日本語は他の言語と比べ本当に難しい言葉だということです。
もし台湾で日本語教師をやりたいと考えている方は、まず日本語を教えるノウハウを学ぶことをおすすめします。