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外資系企業への転職の体験談

外資系企業への転職の体験談

私が外資系の企業に働いていた時の話を紹介します。

働いていたのは、東京の赤坂にあったアメリカ本社の健康食品の企業でした。オリジナルのハーブを使った健康食品を世界中で販売している会社で、その日本法人となります。

私はその会社のWebサイト担当者というポジションで、所属部署としてはコミュニケーション部署の中のクリエイティブサービスという部門でした。

仕事は新製品発売時にその商品についての情報を掲載するキャンペーンサイトを制作したり、サイトのアクセス数を増やすためにいろいろなコンテンツを考えて実装することがメインの仕事でした。

他にも同じ部門にDTPデザイナーさんがいて、その人と一緒にコンテンツを作成したりしていたため、そちらが忙しい時は手伝ったりもしていました。DTPの仕事はカタログ作成やチラシ作成、DMやインビテーションの作成、英語のパッケージを翻訳したものを作成するなどです。



外資系企業では英語が必須なのか?

私の場合は契約社員だったこともあり、英語の試験などは特に無く入社して実務的にも英語が必須なのか?と言われるとそれほど重要だとも思いませんでした。

本社のエンジニアと電話で会議をすることもありましたが、基本的に本社のエンジニアの人が日本語堪能な方でこちらの日本語は大体伝わっていましたし、向こうの言っていることも理解出来ていました。

営業の人や幹部クラスの人はいろいろな人とコミュニケーションを取らなければなりませんし、頻繁に本社への出張があったり、海外視察などがありますので英会話はそれなりに必要とされるでしょうが、私のように末端の専門職の人間にはそれほど多くの英語を求められることはなかったと言えます。

ただ、いろいろな社内用語が英語なので日本企業で長く働いていると慣れないことは多いです。

会議室のことをカンファレンスルームと言ったり、サーバー再起動のことをリブートしても大丈夫ですか?みたいに言われてちょっと最初の頃は「は?」となったことを覚えています。

経費精算書のことをパーチャスオーダーとか言われても何それ?みたいになりますし、随所にコンセンサスやらプライオリティやらルー大柴のような英語かぶれみたいな単語が飛び出してくるのが慣れるまでは戸惑います。ASAPでお願い!とかメールでfyiとか出てきても最初の頃はいちいち上司にどういう意味ですか?と尋ねなければなりません…日本の会社でも使うところは使うようですが、その頃私は全然使ったことがなくちんぷんかんぷんでしたね。

英語は基本的に必須ではありませんが、将来的に出世したり本社へ異動になる可能性もありますので、働く中で英語が必要だと感じるならスクールなどに通って勉強すると良いでしょう。

外資系企業の中の人について

外資系企業というと非常にドライすぐクビになるイメージが強いと思います。

でも実際は外資系企業だからといって日本でビジネスをしている以上、日本の法律を守る必要がありますし、人間関係に関しても仲のいい人はいつも一緒に飲み会に行ったり、昼ごはんを一緒に食べに行ったりしてました。私も正社員ではなかったものの仲良くしてもらって一緒に旅行に行ったりもしました。

ただ、私の会社の中途採用で入って来た方はかなり渡り鳥のような人が多く、みなさん1年程度で違う会社に移っていったのを覚えています。外資系の企業は実力さえあれば転職回数などは特に問題としないところがあるので、1年以内でも余裕で辞めていくのでしょう。

また個性的な人も多くて、おそらく日本の企業では中々馴染めそうにないなぁという人も結構いました。

サーバーエンジニアの方は面白くて仕事も出来るいい人だったのですが、まず定時に来たことがない人で超不規則な生活をしていました。飲み物はペプシしか飲まないのか?というぐらいペプシだらけで、缶は飲みかけとか飲み終わったのとか全部放置…捨てればいいのに…って感じの人でしたね。

その人は日本では何度も重役会議に呼ばれて「定時に来ないならクビになるよ」みたいなことを言われたらしいのですが、仕事が出来ることにより、なんとアメリカ本社に栄転となりました。こういう人間的にダメでも実力さえあれば評価されるところが外資系の良い部分ですね。

他にも基本的に女性が強いというのが外資系企業の凄さで、仕事があまり出来ないおじさん社員が同じ部署の女性に仕事を頼んだ時「丸投げしないでもらえますか!私忙しいんで!」みたいにブチ切れられているのを耳にしました…。基本的に女同士のバトルも多く、仕事の出来る女性は強いんだなぁと感じたのを覚えています。

日本の会社でも個性の強い人は時々いますが、外資系にはもっといると思っておいたほうが良いかもしれません。

外資系企業で働くデメリット

外資系の経営はかなり効率化を重視しているため、もしも日本でのビジネスが上手く回らなくなってきた場合、日本撤退ということがあります。

私の働いていた会社も上陸時に一気に売上が伸びたものの、頭打ちを迎えて徐々に減少してきたタイミングで赤坂のオフィスを移転してダウンサイジングしました。

その結果、オフィスが23階の長めのいい素晴らしく広々としたところからいきなり狭いオフィスになり、今まで1人で使えたスペースで2人が働くようになりました…。

また、人の入れ替わりが激しいのもデメリットで、しょっちゅうボスが変わることにより、いろいろと勝手が変わり、今までは特に問題なかったことでもいきなりダメになったりして戸惑うことも多かったです。

あとはPCが海外仕様で、OSなどは日本語ですがキーボードはUS版なので慣れるまでやや時間がかかりました。

外資系企業で働くメリット

外資系企業の良さはなんといっても効率の良さでしょう。日本の会社でも長く働いたことがありますが、会議が多く、長い割には中々話が進まずに無駄な時間が多かったです。

それが外資系企業の会議は要点だけを話し合い、会議で決まったことはすぐに実行となるフットワークの軽さがすごく良いと感じました。

あとは残業がものすごく少なかったことですね。私のいた部署はサイトや紙媒体の制作を行う部署でしたので、納期前にはかなり忙しくなる部署だったのにもかかわらず、基本的に17時の終業時間で帰る人が多く、私の仕事が遅くて20時になった時は上司もすでに帰宅済みでほぼ真っ暗でした。まだ20時なのに…。

実力次第で出世が早いのも外資系のメリットで、実力さえ伴えば年齢が若くても中途採用で入ってきた人でもどんどん出世していきました。
日本の企業の場合は中々ポストが空くまで出世が出来なくて上が詰まっているようなことがありますが、外資系の場合はどんどんと入れ替わっていきますので実力が認められやすいという傾向があると感じます。

ただし、結果をアピール出来ない人は容赦なく降格させられたり、異動させられたりもしますし、部署ごと他の部署に吸収されるなどの急な出来事も起こりますので、実績をアピール出来ない人には厳しい環境となる可能性が高いでしょう。(私のいたクリエイティブサービスも最終的に解体され、コミュニケーション部署直属の人員になりました)

外資系企業への転職の体験談まとめ

外資系企業で働いてみて感じたことは、思っていたほど日本の企業と大きな違いは無いということです。働いている人も支社長以外は全員日本人でしたし、私の場合はメールも会議の資料も何もかも日本語でやり取りしていました。

外資系だからといって英語がペラペラじゃないと絶対ダメなわけでもなく、技術力やこれまでの実績次第では英語が使えなくても十分やっていけると言えるでしょう。英語はただの手段なので、必要になれば入社後に習いに行っても遅くは無いと思います。

あと、この会社の社員で英語がとても得意な人に「英語が使えると外国人とコミュニケーションが取れていいですね」と言ったら、英語がペラペラだからって話が通じるかと言うとそうではないことをこの会社に入って痛感していると言っていました…。コミュニケーションで重要なことは言葉が通じるかだけではなく、文化や価値観など多くのものが必要となってくるということですね…。

社長との距離が近いというのも外資系の特長で、しょっちゅう社長に話しかけてもらえます。非常にフレンドリーな社長なのでみんなから親しまれていて、いつも「へい!〇〇(社長のファーストネーム)」みたいな挨拶が聞こえてきましたね。
電話でも「ハロー!」とか「バイバイ!」とか聞こえてきて日本のような「恐れ入ります」とか「それでは失礼いたします」のような堅苦しさが全然ないのも働きやすいと感じる部分でした。

厳しそう…
You are fired!とすぐクビにされそう…

もしイメージだけで外資系企業への転職を躊躇っている方は、全然そんなことはないので、ぜひチャレンジしてもらいたいです!