販売員が向いてないので転職した話
私はもともと小売店の販売員(店員)でしたが、今は転職してITエンジニアをしています。
この記事では、私が販売員の仕事を向いていないと思った理由となぜITエンジニアになったのかについて紹介します。
販売員だった頃の話
私は関西に10店舗ほどチェーン展開する、ホームセンターに近い専門的な商品を扱う小売店で働いていました。競合他社としてはワークマンなどがあります。
スタッフ数がアルバイトを含めて7〜8人で、一日の売上がピークの時期で100万円ほどあるそれなりの規模の店でした。
この店での仕事は接客を中心に、品出しやレジ打ち、掃除、売面作り、発注、客注対応など多岐にわたりました。
私は新卒の正社員として入社しましたが、それまで販売員の仕事はほぼしたことのない未経験の状態での入社でしたので、最初の頃は覚えることが多くて苦労したのを覚えています。
販売員の頃に辛かったことはいろいろありますが、私の場合は一番つらかったのが万引き対策でお客さんをマークする仕事ですね。する方もされる方もお互い嫌な気分にしかならない辛い仕事です…。
逆に販売員の仕事で楽しかったのは、誰よりも早く新商品情報に触れることが出来ることでしょうか。私の場合はこの業界が好きで入社した人間なので、扱っている商品はどれも好きなアイテムでした。そんな好きなアイテムの新製品に一番先に触れられるのは嬉しいことでしたね。
家電のことが大好きな家電芸人みたいなもんです。
他にも、おすすめした商品を買ってくれたお客さんがまた来てくれて「前すすめてもらったやつ使ったけど本当にすごく良かったよ」と言ってくれるのは、接客業してると一番嬉しい瞬間の一つでした。
販売員が向いていないと思った理由
販売員の仕事を半年以上続けましたが、どんどんと自分が販売員に向いていないという気持ちが大きくなっていきました。
なぜ販売員が向いていないと思ったのかというと、初対面の人に自分から話しかけるのが苦手というのが理由です。
先輩は根明な人で、商品を見ながら悩んでいる人を見つけるとすぐに行って「どないしはりました?」と気軽に声をかけたり、高額な商品を買おうかどうか迷っていそうな人を見つけたらニコニコしながら横で「そんなに悩むんやったら買うたらええねん」とか悪魔の声みたいな感じで小さな声でささやき、初対面の人でも友達のように接客していました。
正直私は小さい時から友達は多かったのですが自分から絡んでいくようなタイプではなく、常にいじられ役で生きてきた人間で、臨機応変に人に絡んでいくという経験がなく、仕事でそれを求められたわけですがそれがずっと苦痛でした。まさか初対面の人に気軽に声をかけられないことがこんなにしんどいとは思ってもみませんでしたね…。
同期で入った同僚は接客がとにかく得意なタイプで、息をするように接客をこなしてすぐにお客さんと仲良くなっていて、個人的にお客さんと電話番号を交換して遊びに行くぐらいオープンな感じでした。
こういう同僚を見ていると接客が苦痛な自分は、完全にこの仕事をするべき人間では無かったなと思わざるをえない毎日を送ることになってしまいます。
販売員を辞めてITエンジニアになるまで
私の現在の仕事はITエンジニアですが、なぜ販売員から急にITエンジニアに転職したのかというと、販売員の仕事をしている時から商品を売る仕事も好きでしたが自分で何かを作る仕事もしてみたいと感じていたからです。
販売という仕事があまりにも向いていないので、販売員を辞めてから転職エージェントにも登録して、ものづくりの仕事で自分が出来そうなことを探しましたが、転職エージェントとの面談でそのことについて話すと、その時期ちょうどIT革命という言葉がトレンドのキーワードになっていた時代で、ものづくりもデジタルの時代になっているという話をしてくれました。
販売員しかしたことがなかった私でしたが、その面談の時にいくつか初心者でも応募出来るIT企業の案件を紹介していただいたことを覚えています。
結果的にその案件には応募せずに職業訓練校へ行き、基礎的なことを学ぶことにしましたが、学歴がなく、IT業界未経験でも紹介してもらえる案件があるということに、ITの世界に転職出来ると自信がつき、ITエンジニアを目指すことにしたのです。
販売員がIT業界に転職してどうだったか
ITの仕事はイメージと違ってとても地道な作業が多く、頭も使いますし、納期前には会社に泊まり込みで仕事をすることもよくある話です。
※これはイメージですが実際に寝袋を持ってきている人もいました
私もプログラミングをバリバリやる仕事だと思ってIT業界に入りましたが、最初に入社した会社はいきなりプログラミング出来るような会社ではなく、下積み時代は開発が進んでいる案件を仕様通りにプログラムが動くかどうかひたすらチェックしていくデバッグと呼ばれる作業ばかりやっていました。
時には会員登録一括管理システムを受注するために、全国展開する居酒屋チェーンの会員登録用紙に書かれた個人情報を全て手打ちでデータ化する仕事を何ヶ月もやることになったり、下積み時代の大変さはどの業界でも同じだなと感じたことを覚えています。
ただ、販売の仕事と違ってマルチタスクになることはほとんど無く、仕事に没頭することは出来ます。会員入力の仕事などは私とインターン生の2人でやっていましたが、基本的に朝から晩までひたすら入力しているだけなので本当に没頭と言っていい仕事でした。
デバッグもバグを見つけたらチェックシートに入力していくだけなので、職場での一日の会話は終了時に上長に見つけたバグを説明するだけでした。
IT業界の下積み時代はひたすら没頭しておけばいい仕事だと言えます。
ITエンジニアに転職して良かったのか
現在の私は個人事業主として開業して5年目なのですが、ITエンジニアになって良かったとは思っています。
IT業界の下積み時代は辛く、正直かなり目の荒いふるいにかけられ、ITに適性のない人間は数年以内にいなくなってしまいます。私の元同僚も今は接客業に戻ったり、営業の仕事に移ったりしていなくなった人がかなりいました。なかには学生時代に取った教員免許をいかして教師になった人もいます。
でも私はITの仕事が面白いと思ってハマってしまい、自宅のパソコンにもアパッチを入れてサーバー化して色々なシステムを作ったり、仕事とプライベートが同じような状態になっていました。読む月刊誌はITの専門誌になりましたし、読むネットの記事も技術関係のことを紹介したエンジニアのブログというようなIT漬けの状態です。
その結果、最終的に家で仕事をするITエンジニアになったのだろうと思います。
販売員が向いてないので転職した話まとめ
人にはどんなことでも向いているものと向いていないものがあります。
砂漠で水がたくさん必要な植物を育てようとしてもなかなか育ちませんが、サボテンは勝手に育ってきれいな花を咲かせます。人も同じで、向いていない仕事で結果を出すのは非常に難しいことであったりしますが、適材適所で向いている仕事なら勝手に結果が出てしまうこともあるのです。
自分に向いている仕事がわからなかったり、自分のやりたい仕事が本当に向いているのかわからなかったりして悩んでいるのなら、私のように転職エージェントへ相談してみるのも良いでしょう。
意外な業界が向いていることを発見出来たり、無理かもしれないと思っていた仕事を紹介してもらえることもあるかもしれません。