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ミドルの人材ニーズが高まる!50代の転職を成功させるポイント

ミドルの人材ニーズが高まる!50代の転職を成功させるポイント

総務省統計局の発表によると、2021年の転職者数は288万人。今では2人に1人が転職する時代となりました。

「働き方改革」や「人生100年時代」など、働き方や生き方の選択肢が増えるにつれ、50代でも自分らしくいきいきと働ける職場を求めて転職する人が増えています。

出典総務省統計局 労働力調査(詳細集計)2021年(令和3年)平均

この記事では、転職エージェントのキャリアアドバイザーとして50代の方の転職を成功させてきた私の経験をもとに、50代の転職における注意点、進め方、おすすめ転職エージェント、転職サイトについて紹介します。



50代で転職は可能なのか?

近年の人手不足から、若年層だけでなく50代まで幅を拡げた求人も増加していますが、そういったネガティブな理由以外でも50代への人材ニーズが今、高まっています。

ベンチャー企業や急成長企業は、様々なプロジェクトやマネジメントを経験し確かな実績を持ったベテランと呼ばれる年齢層の積極採用を行い、黒字廃業という言葉からも解るように後継者不足に悩む中小企業では、これまでの豊富な経験と人脈をそのままいかして事業継承してほしいと考えている企業が増えています。

その他にも、異業種での豊かな経験に基づくイノベーションの起爆剤となる人材を求めている企業もあります。

キャリアアドバイザーの経験からも言えるのですが、かつては厳しいと言われた50代での転職も、そのハードルは確実に下がっているのです。

50代の転職で実現できること

これまでに身につけた様々な経験、スキルをそのままいかしていくことも可能ですが、50代の転職成功者は異業種、異職種への転職が多い傾向があります。

今まで当たり前にやっていたことが新天地では高く評価されたり、豊富な経験や人脈で新たなビジネスを展開することも可能です。これまでの組織では実現できなかったアイデアやプラン、社会への関わりを実現できるかもしれません。

また、管理職や役員などの重要ポストを任され、大幅な年収アップにつながることもあるでしょう。

過信は禁物!50代の転職の注意点

50代ともなれば何かしらの役職に就き、部下を持って仕事をしてきた方も多いでしょう。「自分のキャリアを買ってくれる会社がどこかにあるはず」という思いもあるでしょうが、50代で転職を考えるときに注意してほしいのは、そのキャリアや経験は業種や職種の垣根を越えて発揮できるものであるかということです。

今いる会社の看板と肩書を失くしたら、はたして自分をどう表現できるのかを想像してみてください。50代の転職はビジネスパーソンとしての「肩書のない自分の価値」を知ることがスタート地点です。

ごく普通のサラリーマンでも、それまでの仕事で培ったなんらかのスキルがあるはずです。担当してきた業務だけでなく、大事にしてきたこと、困難にぶつかった時にどう乗り越えたか、モチベーションの浮き沈みまで、まずはこれまでの仕事を丁寧に見つめ直し、自身の持つビジネスパーソンとしてのスキルを洗い出していくことが大切です。

これだけは知っておきたい!50代の転職の思わぬ盲点

人材ニーズも高まり50代で転職する方も増えていますが、そこには思わぬ盲点も潜んでいます。

1つ目は年収がダウンする可能性があること。
前述しましたが、50代の転職成功者は異業種、異職種へ転職されています。なかには大手企業から中小・ベンチャー企業へ転職される方も多く、高い年収を初年度から提示できない会社もあるのです。ただ、初年度の年収にこだわらないほうが結果的に3年、5年後には大幅に年収がアップしたというケースも多々あるので、収入やポジションではなく自身のスキルをいかし新天地で何をなしとげたいか、何をすれば期待されるのかということを転職の目的(軸)とすることを強くおすすめします。

2つ目は自分も手を動かし、問題意識を持ち続ける現場感覚が求められるということ。
高い年齢層の人材を採用する企業では、新たな環境に適応できる柔軟性も求められます。特に管理職を経験された方は、自分が手を動かすのではなく自分以外の人間をどう使うかといった調整に目がいきがちですが、新しい職場に適応し力を発揮するためには、そういった調整力ではなく、現場で即通用する本物のスキルや経験が必要とされます。
初めての業界で知識のない職務を任されることもあるでしょう。いくつになっても新しいことを吸収していく力も大切なポイントです。

3つ目は転職活動が長期化しやすいこと。
そのため、よほどの事情がない限りは退職してからの転職活動ではなく、しっかりと計画を立て先を読んだ行動を意識して働きながら転職活動を進めていくことが重要です。

50代の転職におすすめの転職エージェント、転職サイト

長期化しやすい50代の転職活動では、思うように結果が出ずに焦ってしまうことがないように、しっかりと計画を立て先手、先手でゆとりをもって進めていく必要があります。そのためにも転職エージェントや転職サイトの利用は不可欠です。

元キャリアアドバイザーである私の経験から、50代の転職におすすめしたい転職エージェント、転職サイトをご紹介します。

転職エージェントも転職サイトも無料で利用できるところがほとんど(有名なところで有料なのはビズリーチくらい)ですのでお金はかかりません。
転職の成功率を上げるためにも、転職エージェントと転職サイトの併用や複数の転職エージェントの同時利用を意識しながら、活用してほしいと思います。

ミイダス

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出典:https://miidas.jp/

50代の転職活動の準備段階として、自分の市場価値を知ることはとても大切です。

ミイダスは、いくつかの質問に答えると豊富なデータ量から自分の市場価値(想定年収や選考条件に合致した求人数)を具体的な数字で教えてくれる手軽で便利な転職サイトです。

ミイダスイメージ
出典:https://miidas.jp/

登録すれば面接確約のオファーも届くので、自分がどんな企業に求められているのか把握しながら気になったオファーにだけ応募するといった待ちの転職活動にもピッタリです。早い段階で無料登録だけでも済ませておくと良いでしょう。

公式サイトhttps://miidas.jp/

リクナビNEXT

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出典:https://next.rikunabi.com/

リクナビNEXTは圧倒的な知名度を誇る日本最大級の転職サイトです。

人材業界最大手リクルートのノウハウが凝縮されたコンテンツも充実し、なかでも『グッドポイント診断』という自己分析サービスは、自分では気づかない特徴や強みを的確かつ正確に測定してくれるツールとして特におすすめです。

50代の転職において、あらゆる角度から自分の強みを知ることはとても重要です。

グッドポイント診断のためだけにリクナビNEXTに登録してもいいといっても過言ではない優れたサービスなので、まだ利用していない方はぜひ自己分析に活用してください。

公式サイトhttps://next.rikunabi.com/

リクルートダイレクトスカウト

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出典:https://directscout.recruit.co.jp/

業界No.1のリクルートが運営するハイクラス専門の転職サービスで、年収600万円以上のハイキャリア求人を約5万件扱っており、50代の転職でも実績を拡大中です。

レジュメ(匿名)を登録してヘッドハンターからのスカウトを待つだけの非常にシンプルな仕組みで、自分では探せなかった意外な求人に出会うことも可能です。

リクルートダイレクトスカウトには優秀なヘッドハンターが多数在籍し、ヘッドハンターを自分で選び無料でキャリア相談もできるので、安心して転職活動を進めていくことができます。自分のスキル・実績に興味を持つ企業となるべく多く会って転職活動をしたいという方に特におすすめです。

ただし、スカウトを待つというスタイルでハイクラス専門の転職サービスという特性上、一定以上のスキルや年収水準が見合わない場合はスカウトを受けにくく、すぐに求人を紹介して欲しい方には不向きです。そのような方には、dodaリクルートエージェントJACリクルートメントがおすすめです。

公式サイトhttps://directscout.recruit.co.jp/

転機

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出典:https://ten-ki.jp/

こちらもリクルートダイレクトスカウトと同じくハイクラス向け転職サイトですが、社長”直結”メディア『社長名鑑』の姉妹サイトで経営者とのコネクションの強さをいかした独自の求人案件を多く取り扱っています。

転機の求人は単にハイクラス向けというだけではなく、経営者も積極的に関わっているので、社長や経営陣との直接面談を可能にしているのです。

求人のポスト(役職)は課長クラスから役員・社長候補まで揃っており、55歳以上でも応募可能な案件も用意されています。

社長の動画を見て働きたい会社を選ぶ「社長の右腕立候補」や会社名・ミッションをリクエストする「あなたのリクエスト受付」など転機独自の応募方法もあり、ビジネスマンとして培ってきたスキル・経験の集大成として活躍の場を探していきたい方に特におすすめです。

公式サイトhttps://ten-ki.jp/

リクルートエージェント

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出典:https://www.r-agent.com/

転職業界最大手リクルートエージェントの求人数・キャリアアドバイザーの数は他社を圧倒しています。

全国のほとんどの業種や職種に対応し第二新卒から50代まで幅広い年齢層をカバーできる規模の会社ですので、多くの求人に触れるためにも押さえておきたい転職エージェントです。

また、業界最大手だけに取扱っている求人の年収も広範囲です。ハイクラス求人は敷居が高い…とお考えの50代の方は、リクルートエージェントへの登録を強くおすすめします。

公式サイトhttps://www.r-agent.com/

doda

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出典:https://doda.jp/

10万件以上の求人数を誇るdodaならば50代の求人案件も見つかりやすいです。

リクルートエージェントに次ぐ大手ですので、リクルートエージェントとdodaに登録しておけば案件数は十分確保できると思います。

私も転職のときに毎回利用しましたが、dodaにも他社と同様に企業からメールで直接アプローチが受けられるスカウトサービスがあり、他社に比べその頻度がとても多いので、スカウトメールの待遇面などをチェックすることで自分の市場価値の確認にもなるでしょう。

また、精度が粗く億劫に感じることもありますが、求人紹介メールも頻繁に届くので、取りこぼしなく情報を集めて転職の可能性を広げたい方はdodaへの登録をおすすめします。

公式サイトhttps://doda.jp/

JACリクルートメント

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出典:https://www.jac-recruitment.jp/

JACリクルートメントはロンドン発祥の日系転職エージェントですが、外資系企業や海外進出企業だけでなくハイクラスの転職支援でも豊富な実績を重ね、売上規模ではリクルートエージェント、dodaに続き業界3位の転職エージェントです。

ミドル層からの転職サポートを強化しており、利用者の多くが30歳以上で50代の割合も高くなっています。

キャリアアドバイザーが転職希望者と企業の双方を担当する両面コンサルを行っているのでマッチングの精度も高く、企業からの厚い信頼で高い選考通過率にも定評があります。私は今の会社へJACリクルートメントを利用して転職しましたが、選考の通過率は本当に高かったです。

管理職の経験や自身の専門的なスキルをいかして転職したいとお考えの方にぜひ登録いただきたい転職エージェントです。

公式サイトhttps://www.jac-recruitment.jp/

クライス&カンパニー

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出典:https://www.kandc.com/

ハイクラスの転職に強い転職エージェントで、キャリアコンサルタント国家資格を保有するプロのアドバイザーから質の高い転職支援を受けることができます。

質の良いハイクラス求人を扱っているため、今まで培ったスキルや経験をいかし更なる年収アップや役員を目指したキャリアアップ転職を考えている方にもピッタリだと思います。

公式サイトhttps://www.kandc.com/

ロバート・ウォルターズ

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出典:https://www.robertwalters.co.jp/

世界29ヶ国で人材ビジネスを展開する外資系転職エージェントで、外資系・日系グローバル企業の転職に特化しており50代を含め幅広い年齢層に対応しています。

語学レベルは問われますが、語学力を武器に転職活動を行いたいという方におすすめする転職エージェントです。

全員がバイリンガルのキャリアアドバイザーなので専門性が高く、他の転職エージェントではマンツーマン対応が主流ですが、ロバート・ウォルターズではチーム体制で転職希望者をサポートしています。各業界・職種に精通した専門チームの複数のキャリアアドバーザーから転職を支援してもらえる点は大きなメリットです。

公式サイトhttps://www.robertwalters.co.jp

50代の転職を成功させるポイントまとめ

バブル崩壊、金融機関の破綻と再編、リーマンショックなど経済分野だけでも激動の30年を経験し、アナログからデジタル化への社会の大きな変化にも対応してきた50代の方は、広い視野で物事を見れることが強みではないかと思っています。

人材ニーズが高まっているとはいえ、50代の方の転職が他の年代の方々に比べて簡単ではないことは事実です。しかし、前述したような50代にしかないアピールポイントがあるはずです。ご自身のこれまでの仕事を丁寧に見つめ直し、ビジネスパーソンとしての強みを洗い出していくことが転職への第一歩。

この記事がきっかけとなり、一人でも多くの50代の方がキャリアの集大成としての転職を成功させ、いっそう充実した日々を手にしていくことを心から祈っています。